太陽熱・蓄熱利用による暖房技術の研究・開発

弊社では自然エネルギーの太陽熱を蓄熱して夜間等の暖房に利用できる「蓄熱式太陽追尾型ソーラーシステム」を新たに開発いたしました。本システムは2008年6月から開始した、岡山県「平成20年度オンリーワン企業育成支援事業」における研究成果に基づくもので、現在は実証実験に入っております。オンリーワン補助事業終了後の2009年3月から製造に着手し、農業・漁業(養殖)・住宅分野を中心に販売を行っていく予定です。詳細につきましては、今後順次情報を掲載してまいります。
蓄熱技術や太陽熱エネルギーの有効利用する本システムの普及により、CO2排出量の90%以上削減および化石燃料の消費量抑止による低炭素社会の実現等の効果が期待されます。

技術の概要

1)自然エネルギーの有効活用により、化石燃料の使用量を90%以上削減できます。
2)「蓄熱装置」を利用することにより、夜間や雨天時においても蓄熱エネルギーを利用した暖房・給湯が可能です。
3)ソーラーシステム部分は、太陽の動きに合わせて旋回する太陽追尾型であり、固定型に比べ約2倍の日照量が得られます。
4)蓄熱装置の性能向上により、太陽熱の季間蓄熱利用(=時空を超えたエネルギー)が期待できます。
4)弊社の「地下水熱交換器システム」併用することで、四季を通じての省エネルギー空調「太陽熱・地下水熱利用冷暖房システム」が可能になります。

太陽追尾型ソーラーシステム

太陽エネルギーの利用形態としては@太陽熱利用型、A太陽光利用型の二つに大別されますが、本システムで使用するソーラーシステムは太陽熱を利用するものです。太陽熱利用型は単位面積当たりのエネルギー変換効率が高いため、太陽光利用型に比べ少ない設置面積でも大きな効果が得られるメリットがあるります。
本システムでは、株式会社寺田鉄工所の取り扱う真空ガラス管式太陽熱集熱器「ソラリス∞」を採用。外気温に影響されにくく、冬場でも高温の熱を回収できます。また、パラボラ型反射板を組み合わせることで軽量化と同時に最大の効率を上げています。

太陽追尾型ソーラーシステムでは、太陽エネルギーを最大限に活用するため、集熱パネルが常に太陽の方向を向くよう自動制御されています。 固定式の場合、集熱パネルに正面から太陽が当たる時間は快晴の日でも1日のうち約3時間と限られます。そこで、常に太陽の方向を向くよう自動制御することで、固定式に比べ約2倍の集熱量を得ることができます。

蓄熱装置

太陽エネルギーは無尽蔵のクリーンな自然エネルギーですが、反面、天候不良ないし夜間においては十分に採熱することができず、そのため、暖房が安定良く行われないという問題があります。そこで、日照時にソーラーシステムで集めた熱を蓄熱装置に蓄え、夜間や雨天時のバックアップ熱源として使用することで、安定して熱を利用することが可能になります。

潜熱蓄熱材の特性

蓄熱装置内には、蓄熱材として酢酸ナトリウム(CH3CO2Na)が充填されています。弊社は酢酸ナトリウムの物性(融解潜熱:63kcal/kg、融点温度58℃)に着目し、太陽熱集熱器で得られた熱を熱交換器を通じて蓄えるシステムを開発しました。

主な用途例

1.施設園芸ハウスにおける冬期・夜間等の暖房
2.養殖施設(養鰻業)における暖房
3.住宅における暖房・給湯

平成20年度オンリーワン企業育成支援事業の概要

財団法人岡山県産業振興財団の公募した「平成20年度オンリーワン企業育成支援事業」に採択され、2008年6月より[太陽熱→温水蓄熱→熱交換器による温風による暖房]のプロセスによる冬期における暖房技術の研究開発を行っています。

究極の省エネをめざして

  • 太陽熱利用による暖房技術の研究・開発
  • 未利用エネルギーを用いた廃液処理装置」の開発
  • ヒートポンプを使わない地中熱利用冷暖房システム」の検証実験